これは非常に簡単で、JP17のVRE側のチップ抵抗を撤去して適当な可変抵抗を
付けるだけです。ただし、可変抵抗のみだとショート状態になって予期せぬ
電圧がかかることがありますので50KΩの固定抵抗+300KΩの可変抵抗
の構成にします。この改造によって4.2V程度まで出せました。
この場合、Core(Vcore)とI/O(Vio)の電圧が別々に調整されていますので
2カ所に可変抵抗を取り付ける必要があります。
Vioの改造ポイントはR85の200Ωのチップ抵抗を撤去して適当な可変抵抗を
付けるだけです。しかし周囲にレギュレータやコンデンサ、CPUソケットが
あるので作業しづらいです。取り付ける抵抗はSingle Power Planeの時と同じ
考え方で100Ωの固定抵抗+500Ωの可変抵抗の構成にしました。
この改造によって4.0V以上出せる様になりますが、CPUが壊れてしまうので
4.05Vまでしか上げたことはありません。
Vcoreの改造ポイントはJP17の3本のピンのうち真ん中のピンと、J20の右側の列
のピンのどれかを可変抵抗でつなぎます。この時、J17,J20にはジャンパピンは
つけないでください。取り付ける抵抗を100KΩにすると約4.1V、
300KΩにすると約3.6Vになりますから100KΩの固定抵抗と
500KΩの可変抵抗が妥当なところでしょう。ただし固定抵抗の値は
CPUの絶対定格電圧を超えないよう、慎重に選ぶ必要があります。
クロックアップというと、最近はジャンパで75とか83MHzに切り替えるという
お手軽な方法がありますが、限界まで設定を詰めるには0.1MHz単位で100MHz
以上の周波数まで変化させることの出来る機構が必要です。
そのために私はCPUやPCIのクロックを生成しているPLLの源発信器を乗っ取り、
そこを変化させることによって動作クロックの可変化を行っています。
改造ポイントは図の左下に示して有るとおりです。手順は以下のようになります。
T2P4においては様々な改造が行われてきましたが、CPUへのクロックの
パターンの長さがクロックアップ限界に大きく左右することが知られています。
実際、クロックの遅延を行っていない状態では何とか83MHzで動作する
と言った感じで、6x86系のCPUを搭載した場合などは82MHz程度まで
限界が落ちるようです。
遅延の方法としては R100を取り払い、約90ミリのジュフロン線を
丸めてコイル状にし、R100の代わりに取り付けます。この処理を
行ったところ、6x86搭載時の限界が82MHzから90MHzに上昇しました。
CPUをP55Cに載せ換えると100MHzまで上がりましたので
その効果ははっきりと現れます。